1年間の留学で得られるもの

1年間の留学を終え帰国した人によるレポートで最も多く見かける留学成果は、語学力ではありません。それよりも「世界中の色々な人に会えてよかった」「文化の違いを痛感した」「自分の意見をきちんと持つことの大切さを知った」「日本のことをもっと知る必要があると思った」と言った、価値観や社会間の変化についての述べる物が大多数を占めます。

つまり語学力の伸びはあまり期待できません。一番の成果を語学であると書き記したレポートに出会うのは、全くないわけではありませんが稀です。その代り1年間留学の満足度は非常に高く、もう少し長く滞在したいという気持ちを残したまま帰国した人が大半です。ただ、そのやり残した感がそこから先への語学や外国への執着心をつなげていくと言えます。

1年間の留学が高校生や大学生の経験であった場合、のちのちワーキングホリデーヘ出かける人もたくさんいます。面白いことに、留学先とワーキングホリデー先は違う国であるケースも多く見られます。学生時代の1年間の滞在は楽しかったはずですが、更に色々な人達の色々な文化に触れてみたいと思い始めるからかもしれません。

 

そしてその後、結局海外で職を探す人も現れます。最初に行った1年間の留学は彼らにとっては「世界の下見」です。まずは日本から一歩出て、短すぎず長すぎない絶妙な期間で海外を体験し、日本にいるより外国にいる方が自分らしくいられると感じた人は、結局その後何度か出たり入ったりを繰り返した後に日本から出て行きます。

この「世界の下見」がその後の人生に大きな影響を与える可能性は十分あります。1カ月の短期留学ではありえない影響力があります。

今最も増えているのは、欧米留学ではなくアジア留学です。一昔前までは留学と言えばアメリカでしたが、今はあらゆる可能性を求めてアジア、特に中国へ出かけて行く若者が増えています。もちろん語学の習得も目的のうちの一つですが、アジアは日本と違う生活習慣をもつ異空間です。ありえないことが起こってくる発展途上国での生活は価値観そのものに影響を与えるインパクトがあります。
アジア留学が増えているのは近いからではありません。まだまだ発展の余地のある、勢いのあるアジアで自分ができることを探したい若者が増えているということです。

1年間という、滞在と言うには長過ぎ、住むと言うには短すぎる絶妙な期間を、わざわざ休学して外国で過ごすからには、1年あったからこそ感じ取ることのできる価値観を十分吸収して帰ってきたいものです。

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